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  • 執筆者の写真しのづか裕子

やすらぎのプライドポテト皿のこと

2020年の第一弾のプライドポテト皿がご好評いただいたそうで、うれしい第2弾キャンペーンのお話をいただいたのが去年の秋。グループ展、個展と年末年始に集中していたこともあり、せっかくのお話でしたので少し延ばして頂き、取り組ませていただきました。

前回はある程度練った段階でこちらからデザインを提案したこともあり、すんなりと始まったのですが、今回は2回目ということで前回とは変えていきたいというご要望。

タイトなスケジュールの中でのことで、私ももう余裕のない時期だったりしてあまりいろいろなことを試す時間もなく、量産に耐える技術とデザインというのに結構手こずりました。

今回は1種(前回は2種)だったのですが、前回の反省点は解決しておかないと前に進めない、ということで釉薬改良も同時進行で。

個展の後処理がひと段落して間もなく制作が始まりました。


今回は新しい担当者さまのプッシュで、主力の神のり塩の色で、パッケージにある直線の要素を入れてほしいという。どうもそれがわからなくて、なんだかどうしてもわからなくて、結構暗礁に乗り上げていたのですが、少し私の普段やっているお皿のデザインを四角に置き換えてみたらまあなんとか良いかということになりホッとしました。

前回の白の皿と、色と雰囲気は近いのですが、結局同じ技術では出来ない。量産といっても手仕事なので、どうするか試行錯誤が続きながらものんびりとやってみる時間もない中ではまあまあの完成度が出せたのではないかと思います。

今回難航したのはまたしても刺客は思わぬところにいるもので。

釉薬はとうとうピンホール地獄を抜けることができて万々歳だったのですが、少し調合をいじったせいで、今度は焼き締め部分の緋色の反応がすこぶる鈍くなりました。

焼き締め部分は私の作品とのリンクとして外したくない要素、ポテトチップス感のためにもにも大切にしたい部分でした。カリッと揚がったチップス感の為にもオレンジが必要だったのですが、緋色とは焼け焦げみたいなもの、まあまあ微妙なもので、周りの要素に反応して出たり出なかったりします。

前回はほとんど茶色に近い位のオレンジ色だったものが、今回まるで無反応に近いものさえあって本当に焦りました。

おかげでかなり余分の仕事が最後になって襲ってきて。結局すっきりと終わらせてくれない、楽な仕事はないものです。






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