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  • 執筆者の写真しのづか裕子

PAGURO8総括

PAGURO8展徂徠友香子さんとの二人展を、2023.7.29~8.5の日程で+NOTIONギャラリーにて開催しました。

すっかり今年も終わろうとしている季節を迎えて、記憶の薄れないうちになんとか総括をしておこうと思います。


真夏の展覧会は過酷な暑さに打ちのめされんばかりで、先日まで秋の気配も感じられないほどでしたが、とうとう季節は移ったようです。

私たちは展示後の諸々の手配が終わる頃、それぞれに体にトラブルを抱えてやっと体調も戻りつつある最中です。


PAGURO展は2010年に初回を迎え、隔年ペースで過去7回 表参道駅最寄の和菓子屋、桃林堂のギャラリーで開催してきました。

2021年末、7回目の展覧会の頃はお互いに大変ハードなスケジュールで、全てを自分達でこなすのはもう難しいと判断し、一旦辞めることにしたのでした。


そんな時、たまたま展示に来てくれていた同級生の作家の紹介で、銀座に居を構えるギャラリー、+NOTIONさんとのご縁を頂くことになりました。

正直なところその頃の私達は、是非にとお願いできる状態ではなかったのですが、これ以上桃林堂を続けられないことは二人の共通見解だったので、いろいろとお手伝い下さるというお申し出を有難くお受けして、とりあえず一度やらせていただこう、という話になりました。

あまり長く間を空けてしまうと自分達でもモチベーションを保てないのではという懸念から、一つだけ空いていた翌年のお盆前の週に予定を入れて頂きました。

その時から一年半のうちに思いの外に状況が変わり、二人共まだ身近の諸々は片付いていなかったのですが、再開するための貴重なスタートダッシュになりました。


前述したようにとても尋常でない暑さの最中でしたが、コロナ禍も大分下火になってきたこともあり、銀座にも人が戻ってきつつありました。

それまでの桃林堂では1階に二人のコラボレーション作品PAGUROをメインに、2階にはそれぞれの普段の作品という展開でしたが、今回の+NOTIONギャラリースペースはそれに比べるとかなり小さいので、PAGUROを中心に展示することにしました。

私達は普段はそれぞれの素材で自分の仕事をしていて、PAGUROという共作の仕事に向き合うことは実は物理的にとても少なく、ごく限られた時間の中で考え、作っています。

そういう意味で、展示中という時間は自分達の生み出したPAGUROという、陶とフェルトの共作という作品世界を一番近く感じられる時間でもありました。


考えてみると1~7回まで展示をしてきた桃林堂は、基本的に作家が全てを賄うために2階に常駐する必要があり、PAGURO作品は展示の目玉であるためにいつも1階に展示していました。

結果として展示中に実はあまり作品を見る時間が少なく、作家のお客様達は2階に直行し旧交を温め、通りすがりにPAGURO作品を眺めて帰る、というのがパターンでした。

表参道駅の至近という立地はとても良かったのですが、必ずしも作品を見せるという目的としてはどうだったのか、今更ながら反省すべきものがあったと思います。


対して+NOTIONはオーナーの稲垣様がPAGUROを面白がって、見てみたいというお申し出から始まったことから、彼女の興味を叶える場所としての展示といった意味合いもありました。

ギャラリーも狭く、秘密基地のような雰囲気もある分いろいろな要素は逆にない方がアピール性があるというお考えもあり、ただ並べていた作品達を、途中から模様替えして作品数を減らしたりしました。作品についての会話にも作者と客だけでない、オーガナイズする側という視点が加わり、作品として、商品としての捉え方を話し合う時間を持つことができました。


今回夏に開催という、フェルトという素材には酷な環境でしたが、PAGUROという立体作品にフォーカスした展示だったために、却って違う作品世界を感じることが出来たのも収穫でした。

+NOTIONギャラリーの特徴であるフォレストグリーンの壁と、ビビットなグリーンを持つバンガロードリーム、グリーンの雲、Green Mow。ウールの季節である冬に開催してきた今までには決してヒットすることのなかった緑の子たちが初めて脚光を浴びた、記念すべき回になりました。寒色は冬には向かないのか、壁が引っ張ったのか、緑の相乗効果は計り知れないのでしょうか。


今回多くのPAGURO作品が旅立ちました。

まとまった数の作品達をコレクションして頂ける機会も得て、幸先の良い新たな場所でのスタートとなりました。

ご関係いただいた皆様方には大変遅ればせながらお礼申し上げます。


+NOTIONギャラリーにて次回は2025年冬を予定しています。

新生PAGUROがどうなりますか、いろいろ模索は続きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


なお、今回多くのお買い上げいただいた作品を扉ページ(home)に一堂に会しました。

是非ご覧いただければ幸いです。






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